~掃除道に生きる~田中義人ブログ

  • なぜ、清掃を外部委託しないのか

    2010年12月01日

    時々受ける質問で、綺麗な職場の大切さは十分に理解できますが、工場内の清掃、機械保守管理は外部委託して、その時間を仕事に回した方が生産効率が上がるのではないか、と言われることがあります。実際に、多くの会社が清掃業務を外部委託しています。

    では、自分たちで掃除している職場と外部委託している職場の違いは何でしょうか。結果においては、双方ともに美しい職場環境となりますが、そのプロセスに違いがあります。

    以前、清掃業をしている友人から聞いた話です。ある会社の社員が、自分たちの目の前でゴミを捨て、あたかも拾えと言うような態度をとられたことで、とても卑屈な気持ちになってしまい、掃除をしている人を下に見る目線には耐えられないと言っていました。その逆に、ナカヤマ・グループに来ると、みんなが掃除の先生が来たと言うような温かい気持ちで迎えてくれる。同じ仕事をしていても、どうしてこんなに違うのか、と言われたことが、今でも頭から離れません。

    確かに、美しい環境を他から与えられる結果よしの姿勢には、プロセスがありませんから、そこには感動も学びもありません。例えば、山登りにしても、ゴンドラで山頂へ上がった時と、一歩一歩自分の足で登った時の山頂での気分は、同じ景色を見ても違います。また、お金にしても、株や投機で得たお金では、お金に対する感謝や、得るための人間的成長はないと思います。一方、努力し苦労して得られたお金には、相手への感謝と学びがあり大切にします。

    つまり、自分の手足を使うことなく楽して結果を求める生き方には、途中での学びが抜けますので、人間的成長がなく、冷たい無機質なものとなります。自分たちの手足を使って、目標へのプロセスを大切にしていく生き方には、苦労や努力は伴いますが、その都度、気づきや喜びがあり、対するものに気持ちを感じ、人間力が付いていきます。

    掃除が育てる大切な人間力とは、
    1. 小さなことにも気がつくようになります。
    2. 汚さなくなり、マナーがよくなります。
    3. 物を大切にするようになります。
    4. 物を大切にする人は、必ず、人間を大切にするようになります。

    このように掃除は、気づきを深め、人生を豊かにしていきますので、人間の営みの基本中の基本だと思います。

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