~掃除道に生きる~田中義人ブログ

  • 大正村掃除に学ぶ会が誕生した背景

    2015年11月01日

    今年も、10月23-24日に第23回日本大正村掃除に学ぶ会を開催いたしましたところ、全国各地から480名の方々に参加していただき、素晴らしい大会となりました。

    特に今年は、明智中学校の全校生徒が主催者側に回って、歓迎の挨拶、準備体操、配膳係、案内等々を担当したことは、全国でも例のないことで、大変嬉しく思っております。また、ナカヤマ・グループの社員の人たちも、準備の段階から本番、後片付けまで頑張っていただき、感謝しております。

    さて、今回は、掃除に学ぶ会の活動が始まった時の事を述べさせていただきます。

    平成3年はバブル崩壊の年、多くの企業が倒産、リストラに追い込まれ、我が社も売上がピークから急落していく危機を迎えていました。

    多くの同業他社がリストラを行う中、リストラを回避し、危機を乗り越えることを昼夜考え抜いていましたが、妙案は有りませんでした。そのような時に、鍵山秀三郎相談役との出逢いがありました。平成3年11月23日のことです。

    鍵山相談役の「30年間、毎日、トイレ掃除を続けてきたお蔭で、人生も、会社も、大変よくなってきました。」との言葉に衝撃を受け、藁をもすがる思いで、翌日から近くの神社の掃除を始めました。

    神社の前には駄菓子屋があり、子供たちが駄菓子を買っては、遊び場にもなっていた境内に無造作に捨てるものですから、境内はゴミだらけでした。しかしながら、掃除を始めて半年が経ったころ、すっかり境内は美しくなり、そこに朝日が、まるでスポットライトの様に射したものですから、お社が神々しく輝いて感動しました。

    その後、境内が美しくなっていくと共に、町内や社員の人たちが手伝ってくれるようになり、お社やトイレの建直し、手洗い場の新設、神社の案内板まで立てられ、すっかり神社らしくなっていきました。そして子供たちも、ゴミを持ち帰るか、ゴミ箱に捨てるようになり、境内にあった遊具には、ペンキを塗ったり修理をする人まで現れました。

    このように、掃除をすることで場が生き返り、そこに集う人たちの心まで変えていくことに感動した私は、会社への導入は勿論のこと、このことを一人でも多くの仲間たちにも伝えたく、平成5年11月7日に鍵山相談役を迎えて、第一回大正村掃除に学ぶ会を35名の仲間と共に開催いたしました。

    そして、その後5年程は大正村での掃除大会が続き、以降、全国各地へ、そして世界へと広がっていくこととなりました。

    では、なぜ、これほどまでに掃除には大きな魅力があるのでしょうか。

    掃除は、美しさを取り戻すと共に、そのものが持つ能力を引き出し、本来の姿を再生させ、気付き、感動を生み、集う人たちを当事者とさせ、次への変化を生み出していく力があります。

    これからの日本経済は、縮小、均衡の時代に入っていきますので、企業においては、現状の経営資源の掘り起こしと一層の活用により、質的向上していくことが最大の経営課題となっていきます。

    鍵山掃除道こそが、これからの経営の道を開いていくものと確信しております。

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