~掃除道に生きる~田中義人ブログ

  • 掃除は、機会利益を生む

    2010年09月01日

    機会利益とは、直接目に見える利益ではなく、その行為を続けていた結果、利益として現れてくることを言います。

    今日まで18年間、掃除を続けてきましたが、「掃除は、単に場を美しくするだけでなく、人も物も場も総てを活かす力がある」と実感しています。その結果は、財務を見れば一番よく分かります。

    掃除を始める前の自己資本比率は20%でしたが、現在では70%を超えています。自己資本を高めるには、増資をして資本を増やすか、利益を蓄積していくかです。弊社の場合、資本金はその当時と同額であり、かつ売上は約30%落ちているのですが、体質が変わりました。その原動力は、掃除による機会利益の蓄積以外には考えられません。

    では、なぜ掃除は、機会利益を生むのでしょうか。

    1. 掃除は、設備の保守点検の役割も果たします。小さな異常個所にも目が行くため、チョコ停、ラインストップを未然に防ぐことができます。そして、一番よい状態で仕事に掛かることができ、作業効率も高まり、品質も安定します。このことで、修繕費とラインストップ費用の減少、不良発生防止で、品質の安定と作業効率が向上します。費用減と効率増。

    2. 掃除は、設備寿命を延ばします。常に手を入れることで整備が行き届くようになるので、長持ちします。例えば、償却6年の機械が20年以上も動き続けることは、弊社では珍しいことではなくなりました。その結果、一方で必要となる最新鋭の設備導入が可能となり、設備導入の差別化と効率化が計れるようになりました。償却済みの設備稼働により利益増。

    3. 掃除は、社員の人たちの職場への愛着心を深めます。毎日、同僚と共に設備や職場に触れることにより、小さな異常にも気づき、コミュニケーションもよくなって仲間意識が高まることで、仕事への責任感が高まっていきます。社員の「やる気」を高めます。

    4. 掃除は、設備の能力再生と同時に、社員のやる気のコラボレーション(異質なものが共感し合う)により、職場の活性化が促進され、新しい価値創造(改善)が生まれます。

    以上から、掃除は、単に職場を美しくするだけではなく、総てを包含し、職場の内なる力を発酵させて会社を成長させていくものだと実感しています。

PAGETOP