~掃除道に生きる~田中義人ブログ

  • 社員の入退者の激しい時に行ったこと

    2022年03月03日

    創業して10年程は、人が全然来てくれず、社員募集に本当に苦労しました。その頃は、スレートの工場で、設備の大半は中古で、冷暖房はなく、職場環境は最悪でした。そんな中でも人を入れないと仕事が回りませんので、誰でもいいので仕事についていない人を見つけては、頼み込んで来てもらうような状態でした。

    当然、そのような人たちばかりですから、常に問題が起きていて、当時30名程の社員が年に1/3は入れ替わる状態でしたが、仕事は止められないので、私も現場に入って朝から夜遅くまで土日もなく働きました。

    そんな状態を見ていた知り合いから、名古屋中小企業家同友会を紹介してもらい、経営の勉強することとなりました。

    最初に「あなたはどんな会社にしたいのか」「社員からも賛同を得られる考えはありますか」と問われ、「考えたこともありません」と答えたところ、「まずは経営理念を作り、会社の方向を示しなさい。そして、その方向に向けて社員教育に力を入れていけば、会社は良くなっていきます。」と言われました。

    当時、社員教育などしたことがない私は、地元の高校の先生にお願いして教育をしてもらうことにしたのですが、もともと学ぶ気力の無い社員でしたので、最初だけは嫌々来てくれたもののすぐに来なくなり、そのうち生徒が私だけになってしまい、止めることになりました。

    次に、QC活動がいいと聞きましたので、今度は予算を付けて始めたのですが、QC活動の場が近くの居酒屋となり、そのお金を使って会社の悪口を言い合ってお酒を飲む、という有様でした。

    本当に気持ちが折れそうになりましたが、そのような状態の中でも頑張って「私たちは、よりよい商品づくりを通じて、みなさんに喜んでいただき、みんなが幸せになれる会社づくりを目指します。」との経営理念を作りました。

    TSK経営理念

    この経営理念を基軸にして現場を見ると、不平不満は人一倍で責任を取ろうとしない、挨拶も出来ない、助け合うこともしない、勉強もしない、職場は汚れたまま。これではダメだ、と強く思いました。

    そこで、教育を行う前に、まずは幼稚園でも行っている「挨拶をします。掃除をします。履物をそろえます。」の三つに取り組むことにしました。それが、今の実行方針です。

    それ以降、毎朝、経営理念と実行方針を唱和して実行していくことで、無意識の内に浸透し、少しずつ職場の雰囲気も明るくなり定着力もよくなり、不思議と新しい人たちが入ってくるようになってきました。

    その後、経営基本方針も作成して、経営理念と経営基本方針、実行方針に沿った会社づくりに邁進できるようになり、社内研修塾「秀観塾」も発足させ、本格的に社員教育に取り組めるようになっていったのです。

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