~掃除道に生きる~田中義人ブログ

  • すべてを失くして気づいたこと

    2007年12月01日

    先月のメッセージで、国際流通ヤホハン・グループ崩壊の話をいたしました。和田さんは、倒産と同時にすべての資産をなくし、日々の生活にも困るような状態になられました。しかし、和田さんは、その日から二つのことを始められました。

    一つ目は、読書です。それも、どん底まで突き落とされても再起された、金大中氏、サッチャー氏、鄧小平氏の本を中心に勉強されました。その時の気持ちをこう話されます。

    「私は、確かにすべてを失いました。そして、多くの人たちに迷惑をかけてしまったのです。この事実を消すことはできません。そして、それを直接的に弁済することも不可能です。しかし、私は68歳とはいえ、元気に生きています。生きている以上、少しでも世の中のためになる仕事をして、間接的にでも罪滅ぼしが出来ればよいのではないかと思い立ったのです。」

    二つ目は、感動ノートを綴ることです。日々の些細な感動したことを書き続けられ、この10年で66冊目になるそうです。

    貴美子奥様は、「すべてを失いましたが、私たちは、こうして健康で日々を過ごしております。そして、日々の生活の中で、たとえ小さなことであっても、喜びと感謝の気持ちが持てるようになりました。また、人間は、他と比較することなく、身の丈にあった生活ができることが幸せではないでしょうか。」と話されました。

    そして小さな声で、「多くの方々に迷惑をかけたのに、こうしてみなさんに助けていただけるのが、不思議であり、ありがたいことです。」と謙虚に話されました。それは、和田さんが、誠心誠意真面目に生きてこられたからだと強く思いました。

    最後になりましたが、和田さんから、「企業は規模ではありません。経営者の思いが伝わり、社員やお客様、取引先に喜んでいただけるような、あなたしか出来ないオンリー1を大切にした経営を心掛けてください。」と言われたことが、とても印象に残りました。

    和田さんは現在、78歳。上海と飯塚に居を構えられ、「国際コンサルタント」として再起されています。

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