~掃除道に生きる~田中義人ブログ

  • ローカル線に乗って見えてきたもの

    2004年01月01日

    新年あけましておめでとうございます。1月のメッセージをおとどけいたします。

    昨年の秋、久し振りにローカル鉄道『明智線』に乗って、明智まで行く機会がありました。時速35kmで約50分の旅でしたが、その車窓から見える秋の景色に、これほどまでに日本の美を感じたことは今までなく、幸せ感に浸ることが出来ました。

    田んぼの土手で草を焼き白い煙が立ち昇る風情、葉っぱの落ちた柿ノ木に真っ赤に熟した渋柿の美しさ、紅葉の中を進む列車、途中駅でのポイントの手動切替作業、農作業に精を出してみえる人たち、目に入ってくる景色に吸い込まれていくような50分の旅で、生きている喜びを感じることが出来ました。

    常日頃は、明智までは車で行く機会が多く、このようなことを感じたことは一度もありませんでした。まして、車で30分ほどで行けますし、早く行くことが目的であり、道中を楽しむことすら感覚にありませんでした。 

    世の中、物的豊さこそが幸せの原点と思い、便利性、快適性、スピードを求めるあまり、本当の楽しさや心のゆとりをなくして、視野の狭い生き方となっているのではないかと思っております。このことが、人間的つながりをなくし、むなしい自己を作り上げ、常に不満と不安の生き方になっているのではないかと思えてきました。

    私も今年で57歳となり、子供たちも自立への道を歩み始め、会社も幹部の人達が育ってきましたので、そろそろ人生のローカル線に乗って、自分の人生を見なおしたくなりました。

    会社経営においても、たとえスピードが遅く、採算が悪くとも、求めていた会社像へ向かって走りたく思います。そして、社員の人たちに大手のような物的豊さを提供できなくとも、心ゆたかに、温かいきずなを大切にできる人間力をかもし出せる会社にしたく思っております。その為に、お金も時間も喜んで使えるように励みたく思っております。

    本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

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